Potluck Lab. vol.2に参加した
8/24(土),京都 CLUB METROで開催されたPOTLUCK Lab. vol.2に参加した.前回のレポートはこちら.
以下レポートと言うか個人的なメモ.()は感想など.クラブでの音の鳴り方の違い聴き比べやソフトウェア使用のテクニカルTips,DTM全般に関わる心構えなど.レクチャーの3者ともAbleton Liveユーザーだったこともあり,個人的に大変参考になりつつ,総じて参加することでDTM熱が高まるいいイベントだった.
なに考えてつくってるの? -ゆnovation編-
- 2016年4月から楽曲制作,ライブ活動を介し,DTM4年目
- オリジナル,リミックス問わず活動
- 鍵盤ハーモニカをメインとした楽曲
- リハモナイズ:既存の和音を改変していい感じにする
- 何を大事にして作っているか
- どんな曲が作りたい,目的
- 何から着想を得ているか?
- 最初の取っ掛かりは何?アイデアをどう膨らませる?
- どのような手順で作っているのか?制作のルーティン
- (このあたり自分は結構やりながら悩んだ部分があったので大変興味深く聴いた)
- どんな曲が作りたいのか?
- (ベン図でてくる)
- 1-やりたいこと,得意なこと
- 2- 新規性があること
- 3-求められていること
- これらの3点が満たせたら良い.
- 鍵盤ハーモニカの演奏楽器としての活用,funk,irish,popsなどで使用する
- アリムラ氏「よくできた量産品よりも,唯一無二の💩」
- プロジェクトシート作り
- プロジェクトファイル紹介「じゃあ副班長うちやる」
- 色を可愛くしよう.夏だから夏っぽくする.Preferences>Look Feelで色を変える
- ロケーターでマーカーを付ける
- インフォテキストを追加してプロジェクトシートで考えた構成をメモする
- アリムラ氏「サンプルをDigるのが先?曲の構成」
- ゆnovation氏「Spliceを巡回して,使いたいなと思ってた」
- MIDI組み,サンプル音源配置で,それぞれ編集作業の良し悪しがある
- 音楽の三要素,リズム,メロディ,ハーモニー(上モノ)を揃えながら,各部分で肉付けしていく
- 和音はピアノ(Organ ~~)のMIDIで作る
- 鍵盤ハーモニカはピックアップマイクから録音したものをピックアップして並べていく
- プロジェクトファイル紹介「Constant T」(Potluck Lab vol.1で提出したもの)
- エッセイ,ブログみたいなラップをする.Stutsのride,
- (プロジェクトノートに,整理されながらも,雑多なイメージを記録していく態度)
- (トラック数がエグい.60以上ある)
- (4,8などが展開の構成単位になっているが,2などもある)
- ラップぽくするには,強調する部分と抜く部分を作りながら韻を踏むと気持ちよくなる→鍵盤ハーモニカ演奏にも強調,脱力のパラメータを適用することでラップっぽい演奏
- ラップ:後半に言葉を詰めるような構成,鍵盤ハーモニカも後半に音を詰める.同じテンションで聞かせるための工夫.
- Spliceでいい感じのコード進行をトレースする.
- リズムとベースラインを組みながら,鍵盤ハーモニカ,喃語(※Potluck Lab vol.1のレポートを参照)を乗せながら構成.
- アリムラ氏「ヒップホップ的な制作,Gファンク」
- 作業を切り分ける
- アレンジ・ミックスでは無限に直したい部分が見つかり,いつまでも曲が完成しない/完成イメージや全体像を見失ってしまう.
- 聴き込む作業,直す作業を切り分けて,曲と適切な距離を保つ.
- とりあえず曲をバウンス
- 外などで聞きながら,ざっと聞いたときの印象,作業内容を書き留めておいてプロジェクトノートに書き込む
- (検証工程のメモが多岐にわたる感じ,曲の印象の粒度も様々だが,それがとても意味があるように感じた)
- DAWはメモに従って手を動かすだけにする
- まとめ
- 自分がやりたい∧新規性がある∧需要がありそうを満たす曲を作りたい
- プロジェクトシートを作る,テーマ,リファレンス,狙い,展開を書き出す
- 聞き込む工程,作業工程を切り分ける
Carpenter フロアを揺らせ! -クラブミュージックにおける本当の重低音とは?-
- ベースミュージック,ダブステップなどを中心に活動
- クラブのでかいスピーカーでしか鳴らせない音について
- 導入
- (ベン図でてくる2)
- クラブミュージックに特化した考え方について説明していく
- クラブミュージックと他の音楽の違いについて
- クラブでかかることを前提としている
- クラシックはコンサートホール,宗教音楽は教会など,場所性と結びついている
- クラブミュージックの特性
- パーティでかかる
- ジャンルごとの盛り上がり方,文化,人,お酒
- 踊りながら,聞く
- リズム,グルーヴの仕組み
- DJ MIXされている
- 曲の展開,構成,機能性
- 普段の環境では出ない重低音が出る
- ??? ← 今日はここについて考える
- パーティでかかる
- スピーカー
- スピーカーの種類とレンジ
- サブウーファー
- ミッドバスの対応エリア
- ミッドレンジ
- ツイーター
- 35 Hzの音は25cmのスピーカーを使わないと出せない(カーステレオのサイト情報)
- スピーカーの種類とレンジ
- 本日の目的
- 重低音のクラブミュージックにおける重要性について
- 重低音とは?
- 音楽などで体に響くような重々しい低音(めちゃくちゃ低いことが重要ではない)
- 振動(重低音)<音として認識(低音・中音・高音)<聞こえない(超音波)
- 実際に聞いてみましょう(波形を見ながら重低音になった瞬間にぶち上がる)
- 重低音≒振動
- 重低音がクラブミュージックにもたらす効果
- 1-迫力を出す
- 音の盛り上がり,決めといった展開に合わせて出す
- 重低音を効果的に用いた楽曲の例
- Baauer - GoGo!
- A1 Bassline - Falsehood
- Carpainter - PAM!!! feat. Onjuicy
- 音としてではなく空間に「振動を発生させる」というエフェクトとして意識して作っている
- 家での鳴り,クラブでの鳴りを区別して作る
- (展開ごとの波形聴き比べ)
- キックやパーカッションなどの低音域を切らない,厚みを保持していく
- 迫力を出す:低音を敷く/塗る
- 808のキックを低音だけEQでなるようにして,通常のキックとトラックを重ねて鳴らす=「キックの芯」のような聴かれをする
- 体験として持っていないと作れない.こういうことをすると鳴りが変わることを各々が勉強すると良い
- DTM慣れしてくると,音が濁るのでサンプルの低音をカットするなどするが,再生される場所によってその効果が大きく変わる
- 2-音に立体感を出す
- 重低音も動かして変えることによって,クラブで聴くと全く楽曲の受け取られ方が変わる
- 3-グルーブを作る
- EQだと30-80Hzでの厚みを持って鳴り続けている状態
- 重低音は808のサンプルを使うことが多い,808のキックが一番低音
- 1-迫力を出す
- 注意点,応用,発展
- まとめ
- クラブやライブハウスでは普段の再生環境では感じることが難しい重低音を鳴らすことができる
- クラブミュージックで低音の処理をする際は,現場でどの様になるのか想像しながら作ろう
- 「重低音を使いこなして,よいトラックメイクライフを!」
DJ TIME
DJはCH.0さん,Kid Fresinoと一緒にイベント主催されているそう.選曲といいグルーブの作り方といい,かっこよかった!
Metome グルーヴ&ミキシング -プロジェクトファイル解説-
- 2013年から主に関西を中心に音楽活動をしている
- 楽曲活動歴
- Ableton Liveのプロジェクトファイルを見ながら,グルーヴ&ミキシングと4つ打ち講座.
- 3分でいい感じのテックハウスを作るを目指す
- DTMを始めたときに何を買えばいいの?と悩む方にオススメ機材の紹介
- Ableton Live or Studio One
- アリムラ氏「Abletonの優れている特徴は?」
- Metome氏「他の波形編集ソフトよりもとっつきやすい」
- Roland Cloud
- サブスクリプション型(月¥2,000くらい)のソフトウェアシンセパック
- その他:https://splice.com/ など
- Ableton Live or Studio One
- プロジェクトファイルの解説
- Roland Cloud TR-808を軸に制作した
- 従来,Ableton Liveのドラムラックで制作しているが,グルーヴを作るのが難しい.
- 通常のドラムラックでの制作の場合,Grooveを選んでCommitボタン押下でグルーヴ生成として多少タイミングがずれたりはしてくれる,こういった工程を経る
- Roland CloudのTR-808のソフトウェアシンセの編集画面,ステップシーケンサの動作を見る
- JV-1080のSinusoidal Raveとか音が良い
- (鳴らして聴いてみる)
- MasterにMaximizer,L3LL Multimaximizer(設定:High res CD Master)
- スレッショルドを下げると音量感がでかくなる,低音がカットされてスピーディに印象になる.
- 作曲,エンジニアのような分業化されている場合は異なるかもしれないが,トラックメイカーのような立場では最終的な出音を知った上で作曲することもある
- Multiband Comp,Frequency Shifter
- Masterにいろんなプラグインを挿していく,Dubplate(Vinyl Distortion)
- Masterにリバーブを書ける
- アリムラ氏「エフェクターのラックを公開してほしい」
- Metome氏「LEGOWELTのエフェクトラックを参考にしている」
- その他:薄くノイズを乗せる.まためっちゃちいちゃい音で作ってMasterで上げる
Take potluck 1-2
合間と最後に時間の許す限り持ち込み楽曲試聴会.今回は冒頭で初めて作った自分の曲をかけてもらうことができた.締め切りぽいものを自分で設定しつつ,楽曲を作成できたのはとても良かったし,正直なところ苦手意識もあったため,達成感がヤバかった(クリエイティブコーディングやCGなど,自分が取り組んでいるものよりも一層).一方で色々と反省も多く,N番目の関心を持ち続けることの難しさを感じた数ヶ月だった.しかしそれでも諦めず,しぶとく取り組めたのは成長だし,勘違いかもしれないが,今回参加しているvol.2でのレクチャーや試聴会での楽曲を前回よりもよりイメージをもって話がきけているように思えたし,イベントに参加する,いわゆる音を聴く側から,音を鳴らす側に回ることができた(もちろん圧倒的に初心者であることは変わらないのだけれど)のは良い経験だった.
まだまだ工夫の余地があるということは伸びしろということ,個性を出すまでとにかくできることがまだあると感じられたので,今後も続けていきたい.